横浜水道を取材!家庭の水について
リフォームを希望される個所といえば、まず最初にあがるのが「水回り」。
いのちの水といえる水道について調べました。
「いのちの水」給水・給湯・排水管の実態(最も多く飲み浸かるもの)
建物の最も神経を尖らせて頂きたいところに給水、給湯管があります。
生きるために必要な水分。飲み浸かりする水とお湯の配管についてお話しましょう。
建物の揮発性物質はいつかは薄くなっていきますが、 給水、 給湯管については配管内の溶出物と、世界で次々産み出される有害物質、分解処理しきれずに塩素殺菌され、塩素などと化学反応をおこして有害化する物質はトリハロメタン、クロロフォルム等をはじめさらに有害化する新たな物質が産み出されることも予想されます。
横浜市の指定の本管(道路内)はSGP-VB(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管)といい、宅内への引き込みにはHIVP(水道用耐衝撃性硬質塩化ビニル管)の使用が指定されています。
SGP-VBとは鋼管内に赤サビ防止のため塩化ビニルをコーティングしたもので環境ホルモンのビスフェノールAの溶出が指摘されています。
HIVPのMSDS(安全データシート)を取り寄せたところ「添加物に安定剤、補強剤、滑剤、顔料、その他」と記載があり、発がん性物質については「データ無し」とあります。
「データ無し」の根拠は自作ものなのでおそらく根拠も「無い」でしょう。
さらに試験水※溶出物(浸出性)試験報告書には「濁度、色度のほかに重金属類の溶出項目がありましたが、一応基準値以下(基準値の安全性については不明)になっているものの「試験水(浸出液) 」が23℃とされているので夏場は特に管内の温度も上昇するため、実際のこの数値の数倍以上になっていることが考えられ、 「試験水」に用いる塩素以外に「水」とありますが水だけでは蒸留水や精製なども想像できます。
通常の水道水の方がかなりの悪条件な訳ですが、水道水という悪条件の指定はないようです。(※JIS水道用器具-浸出性能試験方法 平成12年11月20 日改正 より検証)
神奈川県(県水)管轄の給水50mm以上の本管はDIP(水道用モルタルライニングダクタイル鋳鉄管50~20mm)と宅内引き込みにはステンレス管が指定されています。
「県水」は本管、引込みにも安全性、耐久性に 1番のステンレスが施されているところがうれしいですが、肝心の50mm以上の本管はDIPが使われているのです。
配管内に鋳物を保護するモルタル部分についてメーカーより溶出物データを取り寄せました。
それによるとさらにモルタルの保護のためにアクリル樹脂塗料で被覆していますが、「浸出試験の規定を満足している」とあります。
しかしアクリル樹脂塗料にはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンなどが含有され、PRTR(環境汚染物質排出・移動登録)の各1種指定になっています。さらにモルタルの配合成分にはメーカーが明らかにしなかった配合物質の中も懸念があります。
このリスクのある配管が本管だとは愕然とするところです。
また建物への配管へはステンレス、銅、ポリエチレン、架橋ポリ、ポリブデン、塩ビ管などの使用が認められていますが、銅は緑青が出るため内部にスズメッキ(有機スズの溶出の懸念)や接合部分に半田付けを使用することが多く水銀、鉛などの溶出リスクがあります。銅管なら危険なスズメッキなどの処理がなく、圧着接合のものがましといえます。
給湯器やその追い炊き配管にも大半が半田付けです。お湯張りをシャワーに付ける高性能な浄水器を取り付けることをお勧めします。特に小さい子には高リスクです。
プラスチック管にはポリエチレン管がまだましな方だと思いますが、プラスチックの欠点を補うための添加物が多くなるので飲み水にはなるべく避けたいです。(しかし熱に弱いので温水系には使えないでしょう。 )
やはりステンレスをおすすめしたいものです。
「湯」系統へはHTVP(耐熱性硬質塩化ビニル管)が一般的で、「給水」系よりも基準がゆるく例えば「鉛」については湯系は給水系より8倍の許容量が認められており、温水90℃で試験をしているようですが、耐熱用の添加物や給湯器より発生する熱湯も考えると有害物質の溶出が他よりもさらに多くなると予想できます。
お湯に浸かり、時には湯船で歯磨きするなど「お湯」のリスクは高濃度になりやすく多大であり、少なくとも給水並みの基準にすべきと思います。
調査の結果、「水」は安全とはとてもいえない状況であることがよくわかりました。多くの浄水場が川砂などでろ過していますがアメリカ化学会で約2000万種の天然と合成(人工)化学物質が登録されているそうですが、世に存在する化学物質のなかでは取り除けないものも多数存在するはずです。
残念ながらやはり何らかのろ過を施し少しでも配管や水そのものに存在するリスクを個人で排除することが見えない危険には重要のようです。
その他、エリアによってはアスベストパッキンを使った配管や、アスベスト管、コールタール管がいまだに使われているところがあります。
コールタールは昔の木の電信柱(田舎にはいまも使われていますが)の黒いベタベタしたツンとした油臭いニコチンタールのタール成分の管です。
水道局に行って調べるとわかりますが、あまり前向きに教えてくれないので、突っ込んで聞き出さないと一般の方ではわかりにくいかもしれません。永年住んでいる人たちは知らずに飲み続けています。
マンション、高台に住む方必見
マンションや高台に住む方はさらに高いところに設置された高架水槽へ一旦ポンプUPし、そこから自然落下で下階へ運びます。マンションなどの高架水槽や受水槽は人目がつかずに置かれているので鳥の死骸などの不衛生な状況で維持されていることがあるようです。
しかも高架水槽や受水槽自体の材質は主に水に強いFRP(強化材(ガラス繊維など)に低圧成形用樹脂(不飽和ポリエステル樹脂など)を成形した素材で防水性や強度、コスト面など多くの特徴がありますが、新品時の溶出だけでなく、紫外線により劣化や藻類の発生などを対策、維持に使われる塗付材も気になると
ころです。
排水管には定番の硬質塩化ビニル管(VP、VU)と道路部分にコンクリート管を使用しますが、敷地付近はほぼ100%塩ビ管です。ダイオキシンや環境ホルモンのビスフェノールAの溶出、建物内の配管時に接続部分への接着剤の揮発性の懸念から、ポリエチレン管への変換を試みましたが、ポリエチレン管メーカーの下水管仕様の需要がほとんどないため、大量に官公庁工事などの受注がないと戸建一件単位で工場ラインを動かせないと (メーカー回答) 、 実質代替製品が無い状態です。
雨水、排水の桝との接続や継ぎ手部分のパーツと施工ノウハウにも、やり方はあるもののスムーズではない、割高なやりにくい世の中なのです。(つまり、この業界は脱塩ビでは動いていないということ)
目に見える部材を「エコ」だの「無添加」だのこだわった「家」にしても、アレルギーの方が「水」に無頓着では症状が良くなることは難しいのです。
表からは見えないが直接身体に進入する「入り口」のところを行政といっしょに対策していきたいものです。(上記水廻りに付いては各地行政により仕様のルールが若干異なります。水道局や役所の給・下水道課などでお聞きになることをおすすめします )
ユニット型ポリ系既製品
システムキッチン、ユニットバス、洗面化粧台などが代表的です。メーカーによって差がありますが、VOCやVOC指定13物質などの未使用を高らかにうたうメーカーはまだ存在しないはずです。
それだけ多くの合成化学物質を使用するのです。なかなか抜けないのもユニット型の特徴なので、注意が必要です。
プラスチック浴槽(ポリバスなど)にお湯を張るとプラスチックの溶出があり、そこに浸かっていてはアレルギーは治りません。ステンレスや鋳物ホーロー、無垢の浴槽などが良いでしょう。
水廻りの水栓金物(蛇口類)やその配管など量販品のため大量・安価なパーツが使われていますが、その使用素材の主にねじ込み部(接続部)に多く含有する鉛(水漏れ防止になじみやすくする)や重金属類が溶出する量が多い傾向があります。
また、追い炊き配管部の接合を半田付けで処理していることが多く、水銀、鉛などの重金属の溶出のリスクが高いのです。
なるべくなら避けましょう。
いまどきのウッディーハウス
最近健康住宅やエコロジー志向のもと、ウッデーハウス(山小屋風、民家風など)が多く見られるようになりました。それは全て安全なのでしょうか。
今は9割以上が外国産の無垢材や無垢材に見える集成材(木ブロックを接着剤で柱・梁状の形状にしたもの)が多く、円高で余計に外国材の需要に拍車がかかることでしょう。
薬剤が多量に漬け込まれていることが多い。(防虫・防カビ・防腐対策)
さらに強度が強いとされている集成材は上棟時や外廻りの囲みこみの前の雨で接着剤の接着強度の低下が著しいものが多いようだ。つまり、外壁などに囲まれて蒸れると強度的に弱くなるリスクがある。
壁内通気が必須だが、最近施行のシックハウス対策法は壁内通気させると気密がさがることが多く、計画換気(24時間換気システム)を高らかに提唱しているので、大半の施工会社(工務店・メーカー)がこのシステムを導入しているところが多い。
なお、このシステムの換気は窓明けにまったく及ばないのでシックハウスのリスクを感じた方は、施工側の説明に背いて窓空け換気をすることをおすすめします。
床も大半が無垢といいつつ貼り物(合板類:表面は1ミリ以下ほどの薄い無垢)が実に多い。しかし、そのことを建て主は知らされないことが多い。(これはすべての戸建に共通した傾向です)
それと、特にひどいのはログハウスの類で、丸太調の内装外装一体の樹のタイプが好きな人には、たまらない醍醐味だが、よく見ると壁の木と木には隙間が本来あり、それを有害な隙間埋め剤で埋めていることが多い。よく見かけるのは発砲ウレタン接着剤などです。
しかし、丸太に近いため、木と木を組んだ境目付近はかなり肉厚が薄くなるため隙間と断熱性も一定ではなくなり気密断熱性能が低い。つまり冬が寒いということ。それと、北米・北欧産などの外廻りの輸入材はそのままでは日本の気候に耐えられないため薬剤以外にキシラデコールなどの有害な外部用防腐剤やペンキ類を塗ることがほぼ100%でしょう。一本ものの丸太の外に塗ったり、気密の低い外壁にはとてもキケンな行為といえます。見た目はエコでも実態は建売以下かもしれません。
健康にこだわって選択したのでしたら、もっと研究してから契約して・・・と言いたいです。
巧妙な貼りものに騙されないで
最近良く見かける素材で0.何ミリの薄い無垢の皮を合板や集成材に貼る柱です。これを大手メーカーSは和室によく使っていますが、これが過去の経験上から言いますと、皮の間に空気が入り剥離してくるのです。
築7年で改築した高級住宅はペリペリと剥がれてきていてかなり悲惨な状況でした。和室の柱自体も実際には半分しかない半柱で壁の奥までではなく手前半分だけをくっつけているものもあります。「ここは骨組みがしっかりしてるなー」と惚れ惚れさすっているものは柱ではなく飾りだったということです。
家具屋さんの家具や、ドア、引き戸の建具類は大多数が無垢に見えるが合板、集成材の宝庫です。家具はパイン系などきれいに見えますが、実際にはパイン材はよほど高級じゃないと節が点在していますので、中は合板の薄皮貼りものだと思っていいでしょう。
最近の安価な外国材家具や建具、壁材に桐の無垢を張っていることが多くなりましたが、外材の桐が多く出回っていますので薬剤と、貼りものに注意してください。とんでもない濃度のものが多く激安家具として販売されています。(食器棚:数万円など)
扉や引出しなどのあるこの手のタイプは臭気が通常10年くらいは抜けないでしょう。
障子は本来高級なもので、安価に入るものは(標準品)一般的にスプルス材が使われています。
安価な襖(標準品)は一般的にベニヤで造られますのでお気を付けください。