エコ生活の問題点＞糞尿、紙・木材・ペットボトルのリサイクル
エコ・リフォームといったら、まず自然素材だったり、無垢や無添加の材料を考えると思いますが、工務店などの業者さんからリサイクル材について提案を受けるケースもあるかもしれません。
そんなときは、リサイクル材の元はどういったものかをしっかりと調べておくべきです。
糞尿、紙、木材、ペットボトルなどのリサイクルをするときに、注意しなければいけないのは、その元はどういう扱いのものだったのか、ということです。
糞尿をコンポストなどで堆肥化し、家庭菜園をするとしましょう。糞尿は家畜や人糞です。最近の家畜のえさや疫病対策、見た目の肉質向上などを目的とし、抗生物質やホルモン剤投与が常識化してきています。食べ残し肉にも同様のことがあります。
食べ残し野菜は残留農薬、ダイオキシン類などが蓄積されます。それを食す人間も同様の状況です。さらに家畜も人間も病気や病死の糞尿には多量で多種の薬物混入が考えられます。
それを利用した堆肥には物流により全世界の様々な種類の有害毒物の蓄積で汚染され、なおかつ同じ土壌で何度もたい肥や野菜造りを繰り返すことにより土壌汚染や毒物摂取のリスクは高まります。
再生紙のリサイクルの危険性・ホチキス撤去などの仕分け、インク落とし、浄化・洗浄・漂白などの工程で各薬品を大量に使用し、大量の排水が川や海や土壌を汚染します。さらに何度も再利用を繰り返すことで薬品などの有害物質の蓄積も多くなります。古紙やペットボトルも煙草の灰くずが混ざっていたり、有害化学薬品の入れ物に使われていたり、または有害化学薬品を拭いたりしていたことも考えられ、その紙でおしりを拭いたり、ティッシュを口の中に入れる人もいます。紙はもちろん有害物質が残留しやすいものです。
わたしも舌、上顎や触った手のひらの皮がむけてひどいときは生活しているうちに弱い場所から
出血することもあります。主に紙や洗剤を使うとおこりますが無添加洗剤を使っていますが紙は
使わないわけには行きません。
＜紙・パルプ製品に使用・発生する化学物質類＞
ホルムアルデヒド ：でんぷん、PVA等の耐水化剤
：防腐剤
：カプセル剤
：難燃剤
：潤滑紙力増強剤
硫酸亜鉛 ：塗工紙（キャストコート）
アクリルアミド ：凝集剤
２－アミノエタノール：防錆剤
グリオキサール ：潤滑紙力増強剤
ジクロロメタン ：減感チェッカー
N,N-ｼﾞ ﾒﾁﾙﾎﾙﾑｱﾐﾄﾞ ：防腐剤、スライムコントロール剤の溶剤
ﾁｵｼｱﾝ系,ｲｿﾁｱｿﾞﾘﾝ系,ｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞ系,ﾆﾄﾘﾙ系,ﾊﾛｹﾞﾝ系
：抗菌、防カビ
ｲﾐﾀﾞｿﾞｰﾙ系,ﾁｱｿﾞｰﾙ系,ｲｿﾁｱｿﾞﾘﾝ系,ﾋﾟﾘｼﾞﾝ系,ﾆﾄﾘﾙ系
：ｳｯﾄﾊﾟﾙﾌﾟ抗菌、防カビ
塩素 ：白色度向上、漂白
：蛍光剤
トルエン ：溶剤
ヒドラジン ：ボイラー脱酸素剤
（副生成物）
クロロホルム ：ＢＫＰ漂白工程
ベンゼン ：廃棄物焼却炉の排ガス
ダイオキシン類 ：ＢＫＰ漂白工程、廃棄物焼却炉
木材の再利用には木粉にして牛などの家畜の敷きわらに利用されたり、プラスチックとまぜて建築材に利用したり、チップ状にして合板類に使用しています。やはり木材の防カビ剤・防蟻剤等の有害化学物質の蓄積が気になりますので家畜にはどうかと思いますが、目立たない部分なら大丈夫とも言い切れないと思います。
プラスチックは有害物質が蓄積のしやすい性質があるそうで、ペットボトルはポリエステル製リサイクルコップや洗面器、ワイシャツになったりもします。だれが残留の多い商品を購入するかはまるで不幸な宝くじのようです。年々高額高濃度で種類などが増え、当たる確立が上がることでしょう。リサイクルのイメージと現実的な安全性はイコールでは無いのです。それではさらに別の角度から見てみます。
リサイクル商品のエコロジー度
先ほど再生紙は再生作業について工程を追いご説明しましたが、さらに詳細に検証してみます。
ここで述べる地球負荷とは「そこにかかった金額」≒「石油エネルギーをどれだけ使ったか」に比例するという学者の意見に基づく表現です。そこには製造・作業・運搬といったエネルギー面での地球への負荷に加えて、粉塵による大気汚染や、河川の汚染といった地球への負荷も含まれます。
古紙を焼却しない時；回収業者より集められた仕分け一時保管場所の建築・設備の地球負荷。雑誌や新聞などが再生可能か、紙表面処理が再生に適さないもの、ホチキス撤去、別のごみなどの仕分け作業の地球負荷。再生不可能な紙ごみの処分に必要な保管場所の地球負荷。保管管理を行う建物やパソコン設備の地球負荷。その作業を行う方の地球負荷。再生不可能物の処分場への運搬地球負荷。運搬車両の購入、製造時の地球負荷。タイヤなどの消耗品の粉塵や排ガス等による消耗時の地球負荷。再生紙メーカーへの運搬地球負荷。インク落とし・浄化・洗浄・漂白場所の建築・設備の地球負荷。その作業を行う方の地球負荷。保管管理を行う建物やパソコン設備の地球負荷。保管管理作業を行う方の地球負荷。；と全工程ではありませんが紙を再生するのにこれだけの膨大な地球への負荷をかけていることがわかります。
ペットボトルも考え方は一緒でホチキスの代わりにキャップの取り外し、仕分けをし、メーカー側でプラスチックの成分復元、製品材料再成形を行う工程にかわりますが、同じような問題点があります。
比較的よいリサイクルとは
金属のリサイクルの歴史は古くから始まっています。混ぜて捨てても仕分け分別が比較的容易です。一般廃棄物の金属には有害なものが約８％含まれていて、焼いたときに非鉄メーカーが引き取ります。非鉄ではヒ素や鉛などを取り出すプロセスに毒物を除くプロセスがあり、そこで有害性はリセットされ焼却されることにより乾電池や鉄などの資源になるそうです。
このリセット機構（例えば、土から木が生え、葉が茂り、成長し、やがて枯れ、分解されて土に還りリセットされる自然と同じ機構）がリサイクルをするにあたって大切なものです。
リターナブル瓶などのリサイクルでは、ガラスに傷などがあっても毒物が残留しにくい傾向があるようです。古紙の時に述べたような地球環境の負荷の工程は発生します。紙やペットボトルに比べると一個が重たい分地球負荷は大きくなるでしょう。
暮らしの汚染物質・アレルギーリスク対策
自給自足のオーガニック生活で一生を過ごすなど、自己責任で一生を完結できる方などほとんど考えられませんが、さまざまな理由でここまでやりたくてもこだわれない方へのアドバイスとしまして、室内工事完了後の方には、室内の換気を良くし、有害物質を希釈し、排気を心がけることです。風の少ない時など窓空けと換気扇を複数併用すると効果的ですが、冬寒いことと、仕様材の有害なものほど構造材等の薬剤、合板下地、床下の白蟻駆除剤など有害な空気まで室内に引き込むことのなるので注意が必要です。
建築工事がこれからの方は専門家から相談を受けられるのがベストです。（いろんな専門家がいますからしっかり見極めてください。）成分表・ＭＳＤＳ（安全データーシート）で室内に汚染する可能性がある箇所は確認し、各仕様材の現物サンプルを入手し、ご家族で症状などの反応がでないかアレルギーテストを行なってください。
さらにＴＶＯＣ（総揮発性有機化合物）を簡易測定でも測れればベストです。いくら測定精度があっても測れないものが一部では意味がありません。
「食」も「住」もそうですが、リスクの高いものから極力避け、体外から排出することを心がけるのが理想です。外気にもディーゼルガソリンの浮遊物等、有害なものが完全には避けられないのはご承知の通りです。
わたくし事を例にしますと、有機のものなどたまにしかいただけないため、米は３部か５部付きにし、根モノや醸造・醗酵期間の極力永いものをたまに見つけては味噌、梅干、ぬかや根物などを購入して体内の老廃物を浄化し、自然治癒力を高めるためになるべく自然食を心がけてています。
次世代エネルギーの代表格を検証
太陽光発電（太陽電池）は今まさに環境問題のシンボル的存在ですが、世の中で一般に太陽光発電の効果を考えるとき、すでに存在している（購入後または取り付け工事完了後）時点から発電エネルギー等が評価されています。しかし、製造時のコストは、価格と製造時に使用した石油エネルギーと比例するため、１ｋｗ≒約１００万円の太陽光発電パネルを３ｋｗ搭載するときパネル代に約３００万円のコスト分の石油エネルギーを製造時に利用していると考えることができるそうです。
さらに、製品の輸送時のエネルギー、取り付け工事にアングル類などの取り付け金物代、それを付けるときに使用する電動工具やエアー（コンプレッサー）工具の電気、燃料に対するエネルギーも石油エネルギーそのものです。製造時点でこれから発生するエネルギー以上に使っていることになるとのこと。（もちろんそのほかの地球負荷として製品寿命の全う度合いも含まれます）何のための存在か考えさせられます。既存のものはせめて故障せずに製品寿命を全うされることを祈ります。
