自然素材との付き合い方
エコ・リフォームで使用する建材はおのずと自然素材になってきます。
無垢材、珪藻土、漆喰等の素材の特性についてしっかり理解しておきましょう。
自然素材との付き合い方
自然素材である無垢や珪藻土、漆喰、天然石、麻、羊毛、和紙、等々多くの素材で家造りをすることが多くなりましたが、自然素材はその名のごとく天然原料を用いていますので大半が透湿度のある呼吸素材で、石油系の素材と違い湿気を排出する機能があるため、使い方が良ければ建物の耐久性が高まります。
注意すべき点は、自然素材の材料については、ビニール系等の素材とくらべ室内空気環境の安全性は高いといえますが、新建材(見た目の装飾性とコスト、クレームメンテを重視したビニール、合板、木粉などを加工した工業化製品。)という工業化製品ではないのです。スキ、割れ、そり、収縮等が生じる事は呼吸素材ゆえに通常避けることが出来ない現象です。自然素材の特徴をよく理解し、その素材の質感・特徴・安全性などについてほれ込み、その素材の採用を決定したのであれば、その性格・特徴を受け止めましょう。但し、施工不足が原因の場合は修復してもらうのは当然です。
各建材製造側は避けられない特徴をクレームとされるので新建材や一見自然素材で中身は樹脂や接着剤などを混ぜて造るものが大半なのです。さらに無垢材でもカビ対策などで薬剤に漬け込むのです。
ここにも自分たちで住みにくくしている実態が窺えます。
安全な建材を増やすには、昔、新建材が無かった頃は避けられない特徴は常識でした。
避けられない特徴は自然のもたらす味ではないでしょうか。
木の家の体感温度
内装が木と自然素材ばかりと新建材ばかりで造られた家。それぞれを実験棟により比較したデータ(木材情報センターさん:朝日新聞記事より)があります。それによると、年間通して外気湿度が5~75%に対し新建材ばかりで内装を仕上げると55%程の幅で推移しています。(27~82%)
年間の外気の温湿度に影響されやすい家になり、柱・梁が露出したいわゆる真壁構造の木と自然素材で仕上げをおこなうと、外気の温湿度が高い夏季には湿っ気を吸い取り、乾燥する冬には湿度を放出してくれます。このことにより真壁構造は年間の外気の温湿度に影響されづらく、年間通して25%程の幅で推移しています。(41~65%)
このことから快感温度線図を用いて夏の暑さをみてみます。梅雨時のような30℃、90%の外気湿度は木と自然素材の家では木と自然素材の家の中に窓や隙間から侵入し、元からの空気とまざります。年間50%前後に湿度調節される条件を同じ空気質の有効温度線にそってみると快感温度は26.4℃になります。つまり外気が30℃、90%の時木の家に入ると寒暖計は30℃を示していても体感上は26.4℃になるのです。夏最高値の65%としても快感温度は27.8℃となります。
(*新築時は各素材にまだ水分が多いため実力が発揮されるのは2~3年先からとなります。
一方新建材で夏最高値の82%ときの快感温度は28.8℃で1~2℃程暑く感じるはずです。
2階、3階の条件のときはさらに差が開くものと想像できます。