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「天然化学物質」と「合成化学物質」

エコ・リフォーム自然素材等の話題からは少し離れますが、「天然化学物質」と「合成化学物質」のことを考えてみましょう。

内分泌系撹乱物質が未来を奪う
ホルモンの作用機構と内分泌系撹乱物質

<合成ホルモンDES>
 合成化学物質のDES(ジエチルスティルベストロール)が、天然の女性ホルモンであるエストロゲンに類似した作用を示す物質として登場したのは、1938年のことです。この物質-今にして思えば、まさに、内分泌系撹乱物質であったわけですが-は、その作用機構が明かにされることなく、流産防止の治療薬として、多くの女性に投与されました。しかし、60年代後半から、DES処方を受けた母親から生まれた子どもたちに、多くの生殖系の異常が起こっていることが、報告されるようになりました。その後の調査で、DES二世娘の腟ガン、DES二世息子の睾丸ガンほかが、母親が処置されたこの合成ホルモンに起因することがわかってきました。母から子供へホルモン作用を介して生殖系に影響が現われるというこの毒性は、さらに研究がすすみ、有機塩素系のDDT、PCB、ダイオキシンをはじめ、植物系エストロジゲンなど70数種の合成又は天然化学物質がホルモン類似作用を示す、いわゆる内分泌系撹乱物質であることを疑われるようになっています。
偽ホルモンと天然の性ホルモンが構造上、あまり似ていないにもかかわらず、人の体が、合成化学物質を真のホルモンと間違えるということは、今後重要な意味を帯びてくることになります。

天然化学物質の具体例

緑色の食品には、スルフォラファンやインドールなどのような、天然化学物質であるイソチオシアン酸塩が含まれています。これらすべての化学物質はガンと闘う肝酵素をつくるのを促進させます。

  ボク菜、ブロッコリ またはブロッコリの芽、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー
  ケール、フダンソウなど..
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近年、緑黄色野菜の摂取量と発がん率に逆相関のあることが報告されており、その有効物質として抗酸化作用を有するビタミン、カロテノイドやフラボノイド等の天然化学物質が注目されている。緑黄色野菜の一つである赤ピーマンは、これらの抗酸化物質を多種含んでおり、その疾病予防機能が期待される野菜である。
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ブドウ果皮等に含まれる天然化学物質であるレスベラトロール
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天然化学物質である木酢液には発がん性が指摘されているホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、ベンツピレン、ピリジン、石炭酸、タールなどが含有されています。
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 皮膚のかぶれや炎症に気が付かないで使いつづけていると色素沈着を起こします。
石鹸や化粧品に含まれている天然化学物質などが影響しています。
 もちろん、石鹸や化粧品だけでなく、日常でよく触れるものにも十分に可能性があるはずです。化学物質なしでは私達の生活は成り立たないのですから。
漆や柿渋、卵アレルギーがあるように天然でも人によって合わない素材があるのです。

Q:ホルモン作用を持つ合成化学物質は体内のホルモンあるいは天然のホルモン物質(植物エストロゲンなど)と比べ危険と言われていますが、本当ですか?

A:『奪われし未来』には、『天然に存在するホルモン類似物質と合成されたそれとは全く別ものであることを認識することが大切である。 というのも、天然の植物エストロゲンは1日もあれば対外に排泄されてしまうが、合成化学物質のほうは体内に何年も残留してしまうからである』との記述があります。DDTやPCBなどの一部の有機塩素系化合物は、確かに残留性の高いことが知られていますが、ホルモン作用を持つ合成化学物質が全て残留性が高いとする認識は間違いです。
物質の残留性(体内から排泄されにくい性質)は、「天然化学物質」であるか「合成化学物質」であるかに関係なく、それぞれの物質の構造などによって決まる固有の性質です。
ベンゼン環に多くの塩素分子を持つPCBやDDTは、体内に吸収されると、肝臓で一部の塩素がはずれるなどの代謝を受けますが、それ以上には代謝されにくいことが分かっています。その結果、脂溶性の高い代謝物が脂肪組織などに蓄積されることになります。このように脂溶性が高く、代謝を受けにくい物質は、体内にいったん摂りこまれると脂肪組織に長期間にわたり残留したままとなります。体内で脂肪組織が多いのは、脳や乳房です。脂肪組織に蓄積したPCBやDDTは、それ自体では、有害性を発揮することはないと考えられていますが、脳の場合には、PCBやDDTの酵素阻害作用により脳機能が影響を受け、神経毒性が発現することが知られています。

【PCB】
(polychlorobiphenyl) ポリ‐クロロ‐ビフェニル。ポリ塩化ビフェニル。分子式 C12H10-nCln をもつ物質の総称。ビフェニルを塩素化して得られる。水には溶けにくいが、油には溶ける。化学的に安定し、耐熱性や電気絶縁性にすぐれ、絶縁油・熱媒体・可塑剤・潤滑油等に広く使ったが、人体に対する毒性が強く、自然物および生体の中に蓄積されやすいため、現在製造・使用禁止。

【DDT】
(dichlorodiphenyltrichloroethane) 有機塩素系の殺虫剤の一。現在日本では環境汚染防止のため使用禁止。

生体が自ら産生する女性ホルモン(エストロゲン)や植物エストロゲンあるいは弱い女性ホルモン活性を有するビスフェノールAなどは、体内では、まず、ベンゼン環に水酸基が付加されます。最終的にはグルクロン酸や硫酸などの水溶性の高い分子が結合し、結果として、水溶性物質に代謝されます。このような水溶性が付加された物質は、血液を経由して腎臓でろ過され、尿中に排泄されたり、肝臓から胆汁へ排泄されたりするため、体内に蓄積することがないというわけです。フタル酸エステルも同じくグルクロン酸に抱合されて体外に排泄されます。

<参考資料>1)J.G.ライヤー、A.ソマサンダラム、D.ロイ、「人間における外因性エストロゲンの代謝と運命」、IUPA編、『エンドクトリン白書』、宮本純之監訳、化学工業日報社、p.181-197 (1999) 、他

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