化学物質過敏症を知る(1)
エコ・リフォームをお考えの方が同時にもっとも心配される事柄として化学物質過敏症の問題があります。
化学物質過敏症は「気のせい」だとか「心配しすぎ」と片付けられがちですが、重篤な症状を引き起こす可能性がありますので、正しい知識をもって対処することが必要です。
1.化学物質過敏症の本当の危険性
化学物質過敏症は、微量の環境問題といえます。
MCS(化学物質過敏症)chemical sensibilityからchemical intorerance(CI)と呼び名を変える動きがありますのでここでは、CIと呼ぶことにします。
住環境中に存在している、様々な種類のの微量化学物質に反応し、発症するCI。これは極めて深刻な疾患であり、重症になると、通常の生活すら営めなくなり、例え病院でCIであると判明したとしても、それに対処できることは限られてしまっているのが現状で、普通の方は、家に帰っても毒ガスでも吸っているかのような苦しみを抱き、顔だけ窓から出して呼吸をしたりしているのが現状です。
CIの研究の歴史は浅く、現状判明している化学物質に対して研究が進められているのが現状です。
比較的研究が進んでいるアメリカでは、10人に一人がCI患者だとも言われています。
さらに日本では、CIに対する認知度は低く、「神経症」「更年期障害」という診断をされるケースが多いと見られています。
まずは、その症状について、身に覚えがないかご確認ください。
初期症状としては、アレルギー系への症状が出ます。
- 目がかすむ/まぶしい/暗く感じる/ちかちかする/ごろごろする/疲れる、視力低下、めまい、涙が出やすい
- 鼻が詰まる/乾く、鼻水、鼻血、鼻の奥が重い、金属のにおいがする、くしゃみ
- 耳が痛い/かゆい、耳鳴り、耳が聞こえにくい、中耳炎
- のどが痛い/詰まる、口やのどが乾く、口の中がただれる、食べ物の味が分かりにくい、ものを飲み込みにくい、声がかすれる せき
- おなかが張る/圧迫感がある/痛い/けいれんする、下痢や便秘、吐き気、胸焼け、げっぷ・おならがよく出る、胃酸の分泌過多、小腸炎、大腸炎 食欲低下
- トイレが近くなる、尿がうまく出ない、尿意を感じにくくなる、夜尿症、膀胱炎、インポテンツ、性的な衝動の低下・過剰
次に神経系(中枢神経)への影響が出ます。
- のぼせ、顔がほてる、汗が異常に多くなる、手足の冷え
- 生理不順、生理が始まる前にいらいらしたり頭痛やむくみがある、おりものが増える、陰部のかゆみ・痛み、不妊症
- 呼吸がしにくい、呼吸が短くなったり呼吸回数が多くなる
- 不整脈、血圧が変動しやすい、卒倒
- アレルギー悪化 湿疹・じんましん・赤い斑点・にきびのような吹き出物が出やすい
- むくみ 筋肉痛、肩や首がこる、関節痛
これにその他の生活上のストレスや急激な化学物質の曝露により、十度のCIになると
- 脳機能障害 頭が痛くなる/重くなる、手足のふるえ、けいれん
- 切れる 鬱、躁、不眠、気分が動揺したり不安になったり精神的に不安定になる いらだちやすく怒りっぽくなる
- 記憶障害 記憶力・思考力の低下
- 貧血、甲状腺機能障害といった症状が出てきます。
また最近では電気製品の有害電磁波や、音波による頭痛などの障害を引き起こす傾向がみられます。
これらの症状にはすべて個人差があり、また男女差、年齢差があります。
最近の研究では、遺伝子レベルでの解明が進んでいて、たとえばトルエンの微量被爆に弱い遺伝子というのが解明されてきているようですが、公表はされません。
また、30代半ばから40代の女性がCI発症の症例が多いということが北里研究所病院ではいわれています。これは、住環境汚染による被害をもっとも受けやすいの状況と重なる部分です。